キュービクルは火災の危険がないように管理・運用しなければなりません。
そこで万が一の事故のために必要になるのが消化器ですが、設置基準はどうなっているのでしょうか?
火災を防止するためにも、キュービクルの消化器設置基準について知っておきましょう。
キュービクルに求められる安全機能
キュービクルを設置する際には安全性も求められます。
その1つとして消化器の設置があるわけですが、そもそもキュービクルは安全に運用できる機能が確保されなければなりません。
火災だけでなく火災につながりえる感電事故を防ぐ機能も必要です。
たとえばフェンスも安全機能の1つで、特に幼児など小さな子供がキュービクルに触れることができる環境では、フェンスや柵を設置し保護しなければなりません。
また、絶縁体を設置することで感電防止もしなければいけないなど、とにかく安全性を最大限高めることが必要です。
ただし安全機能をはじめ機能を増やせば増やすほどコストも増大していきます。
なるべくコストを抑えることもキュービクル設置では大切なので、安全性を十分に確保しつつ、コストは抑えられるよう工夫することも大切でしょう。
ただしコストを抑えるために安全性を犠牲にするのは絶対に避けるべきで、そうした事態にならないよう消化器については設置基準もしっかり設けられています。
設置基準に従って消化器を設置し、万が一の火災に備え、いざ火災が起きてしまった時には迅速に消火活動が行えるようにしておきましょう。
キュービクルはその性質上、安全性を確保しないと危険も伴います。
キュービクルの消化器設置基準について
消防法第17条において、防火対象物の規模や用途に応じて消化器や火災報知設備などの消防用設備の設置が義務付けられています。
つまり法律によってキュービクルを利用するなら消化器を設置しなければいけないわけです。
また、キュービクルのような変電設備は特に安全設備の設置が強化されていて、条例によってルールが決められているケースもあります。
条例については各自治体でそれぞれ違うので、該当する自治体の条例をチェックしておくことも大切でしょう。
いずれにせよキュービクルを設置するなら、必ず消化器も設置しなければいけません。
消化器なしでキュービクルを運用することはできないと考えておきましょう。
消化器といってもさまざまなタイプがありますが、いったいどういう消化器を設置すべきなのか、これは設備の状況によって変わります。
一般的な消化器を設置すれば良い場合や、大型の消化器や水を噴霧できる消火設備が必要になるなど、求められる消火設備はさまざまです。
次に項目ではより詳しい設置基準について見ていきます。
環境によって変わる消化器設置基準
消化器の設置基準はキュービクルが設置されている環境などによって変わってきます。
ただし、一般的な粉末タイプの小型消化器に関しては、どういう環境であれば設置の必要があるとされています。
少なくとも1つは消化器を用意し、設置しておかないといけないわけです。
一般家庭でも小型消化器を常備しているところは多いですから、キュービクルが運用されるとなれば当然必要です。
設置基準が変わるのは、大型消化器や水噴霧型の消火設備です。
たとえば油入機器を使用する、1,000kW以上の変電設備では小型の消化器に加え、水噴霧型の消火設備が必要とされます。
大型消化器は必要とはされません。
一方で乾式機器または不燃液機器を使用し、1,000kW以上の変電設備では大型消化器が必要とされます。
この他にも、油入機器を使用するもので、500kW以上1,000kW未満の変電設備でも小型の消化器と大型の消化器が必要です。
油入機器を使用するもので、500kW未満の変電設備なら、大型消化器は必要ないなど、施設の規模などに応じて設置基準が細かく変わるので注意しましょう。
キュービクルを設置、運用する場合はどの程度の消火設備が必要になるかを必ずチェックし、準備を整えなければなりません。
万が一の火災に対して十分な備えをし、いざという時も迅速に対策が講じられるようにしておきましょう。
コストの問題もありますが、消化器をはじめ複数の消火設備を用意すればするほどリスクを抑えることに繋がります。
必要最低限の設備を揃えるだけではなく、それ以上の対策をするべきかどうかも検討するのが良いでしょう。
まとめ
キュービクルを変電設備の1つであり、火災のリスクも生まれます。
必要に応じて消化器の設置をしなければなりませんが、設置基準が設けられているのでそれに従いましょう。
キュービクルを運用・管理する責任者として火災対策は必須です。
消化器だけでなくスプリンクラーや火災報知器も含め、できるだけの対策を講じましょう。
そうでなければ重大な事故を引き起こしてしまう可能性もあります。
安全にキュービクルを運用するためにも、安全性については最優先で考えなければいけません。