キュービクル

屋外にキュービクルを設置するときの注意点とは?

屋外にキュービクルを設置する場合は、さまざまな点に注意しなければなりません。
具体的にどんなことに注意すべきなのかを見ていきましょう。
安全のためにも、屋外にキュービクルを設置する際には注意点を把握し、正しく設置する必要があります。

屋外におけるキュービクル設置の注意点とは?

建物の屋上など、屋外にキュービクルを設置することは珍しくありません。
この際はいくつかの点に注意しなければいけませんが、代表的な点が保有距離です。
保有距離というのは、キュービクル本体とその他の建築物などとの距離のことだと考えれば良いでしょう。
各自治体で火災予防条例というものが定められており、保有距離はこの火災予防条例に従う形となります。
一般的にキュービクルとその他の建築物との保有距離は3メートル以上とされています。
もし3メートルの距離を確保できない場合は、高さが1.1メートル以上ある柵を設けるなどの別な対策が必要になります。
逆に言うと、3メートル以上の保有距離を確保できるのであれば、別途柵を作る必要はありません。
どちらかの条件を満たしていれば良いというわけです。
また、隣接する建築物などが不燃材で造られていて、さらにキュービクルの開口部に防火戸をはじめとした防火設備が設けられている場合などは保有距離が短くてもかまいません。
この他にも、消防長が火災予防上支障がないと認めた場合もやはり保有距離を3メートル以上確保する必要がなくなります。
消防長が支障がないと認めるケースというのは、消防庁告示第7号に適合している場合や、日本電気協会の認定品および推奨品を使用している場合です。
少し複雑ではありますが、いずれにしても十分な安全性が確保されていることが大切です。
キュービクルを設置する場合は、これらの点に注意しながら設置する場所や周囲の建築物との距離をとるようにしましょう。

屋外に設置するキュービクルの基礎について

屋外にキュービクルを設置する場合は、まず基礎を造ることになります。
基礎についても注意すべきポイントがあるので確認しておきましょう。
まず、基礎はキュービクルを設置するために十分な強度がなければいけません。
また、基礎内部に雨水などが入った場合に備えて、排水口を設ける必要もあります。
屋外ですから雨水が入ることも考えられます。
さらに、キュービクルには検針窓と呼ばれる窓がありますが、検針が容易に行える高さになるよう基礎の高さを考えなければいけません。
基礎が高すぎて検針窓が覗けないようなことがないようにしましょう。
この他にも、キュービクルの前面に足場スペースを設けることも求められます。
足場スペースが基礎にない場合は、足場の代わりとなる設備が必要です。
つまり作業に必要な足場を基礎の段階で作っておくか、その後に確保しなければいけません。
小動物や雨、雪などがキュービクルに入り込むおそれがある場合は、網を設置するなどの対策も必要です。
生き物をはじめとして異物が内部に入り込まないようにしなければいけないわけです。
周囲に学校などがあり、小さな子供がキュービクルに触れやすい状況の場合も、柵を設けるなどして事故防止に務めなければなりません。
これは決まりというわけではなく、あくまでも推奨されているという話ですが、安全を考慮するなら実質的には必須の対策でしょう。
周囲にどんな施設があるのかも事前に確認しておく必要があります。

屋外キュービクルの塗装

屋外にキュービクルを設置する際には塗装もしっかり行いましょう。
屋外に設置されているということで、キュービクル本体が雨や雪の影響を受けます。
放置しておくとやがてサビが広がり、最悪の場合キュービクルに穴が空いてしまうこともあります。
こうしたトラブルを防ぐために塗装をし、サビないようにしなければいけません。
キュービクルの塗装は基本的にサビ止めを目的としていますので、見た目を綺麗にするために行うという意味合いはあまりありません。
そのためカラフルな色にするために塗装するわけではなく、あくまでもサビ止めが重要な目的です。
設置する際には塗装業者などに依頼し、サビ止めのための塗装をしてもらいましょう。
サビ止めをしっかりしておかないと、キュービクルがどんどん劣化してしまいます。
常にキュービクルの状態を見ながら、定期的に点検し剥がれなどが出ている場合は再塗装することも大切です。

まとめ

キュービクルは屋外に設置することが多いこともあり、注意点がたくさんあります。
主に安全確保のためのポイントが多く、各自治体の条例に従って作業する必要も出てきます。
単純に設置さえすれば良いというものではないので、注意点をしっかり確認しながら設置作業を行いましょう。
また、塗装することでサビを防ぐなど、長く使えるようにする対策も必要です。
安全を確保しながら、長く使えるよう定期的な点検とメンテナンスを実施しましょう。

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