電気一般

高圧受電設備の規定とは?保有距離を守って安全に設置しよう!

高圧受電設備を設置する場合、定められた規程を守らなければなりません。

中でも保有距離は非常に重要な規程の1つで、保有距離を守ることが安全に設置・運用するために欠かせません。

では高圧受電設備の規程とはどういう内容なのか、また安全な設置のための保有距離はどのくらいなのかを詳しく見ていきましょう。

高圧受電設備の規程について

高圧受電設備に関する規程は、2002年5月30日に制定された民間の自主規格です。

2008年と2014年にそれぞれ改定されており、規程内容の見直しや明確化が行われています。

最新の規程は以前よりもさらに良い内容へと進化しているわけです。

高圧受電設備の規程というのは、自家用電気工作物に施設される高圧受電設備が原因で起こる事故を防止するために定められている基準のことです。

高圧受電設備を安全に運用するためのルールだと認識すればいいでしょう。

機器材料の選定をはじめ、保守点検の方法や、保護協調・絶縁協調の確保など、多岐に渡って技術的な要件が規定されています。

民間の規格ではありますが、高圧受電設備を設置するならこの規程について確認し、規程に則って設置を進める必要があります。

それが安全性を高めることにつながるからです。

また、高圧受電設備を設置し運用する場合には、設置者は運用に関して保安規程を定め、保安監督を選任し国に届けることも義務付けられています。

つまりは人を雇用して保安監督をしてもらう必要があるのですが、何らかの理由で保安監督を選任できない場合は、外部委託承認制度を利用して保安監督を委託することになります。

必ず保安監督が必要で、同時に保安規程も定めなければいけないと覚えておきましょう。

高圧受電設備の規程と日本電気協会の関係

高圧受電設備の規程を承認しているのは、日本電気技術規格委員会という組織なのですが、規程の所管団体は日本電気協会になっています。

少しややこしいですが、日本電気協会が規程を作り、日本電気技術規格委員会がそれを認定したと考えればわかりやすいでしょうか。

日本電気協会では規程の中身を書籍化し、販売したりもしています。

書籍化だけでなく、全国で規程に関しての講習会も行っていて、講師による詳しい解説が行われます。

規程について詳細を知りたい場合、書籍を購入するのがもっとも良い方法となっていますが、日本電気協会で出版している書籍には、電力会社ごとに付録も用意されています。

全国にある電力会社ごとに付録が分かれている形のため、お住まいの地域に合わせた書籍を購入することが求められます。

講習会が開かれる予定があるのであれば、参加して直接話を聞くのも良い方法です。

また、日本電気協会では高圧受電設備の認定制度も設けていて、承認されれば正面の扉に推奨品の銘板が取り付けられます。

承認を受けるには書類審査と現場審査を受ける必要があり、審査に合格すると承認される仕組みです。

信頼性の高い電気設備の普及を図るために設けられた制度で、承認された高圧受電設備は安全性や信頼性を認められたことになります。

高圧受電設備規程の保有距離

高圧受電設備を安全に運用するため、規程では保有距離が定められています。

設置する際には必ず保有距離を守るようにしましょう。

では具体的な保有距離について見ていきます。

たとえば屋内に設置する高圧受電設備の場合、点検を行う面の保有距離は0.6メートル以上で、操作を行う面は扉の幅に加え、保安上有効な距離をとることとなっています。

扉の幅が1メートル未満の場合は1メートルとして考え、保安上有効な距離というのは人が移動するのに支障のない距離のことです。

操作するために十分な距離をとる必要があります。

溶接などの構造で、換気口がある面は0.2メートル以上の距離をとります。

屋外に設置する高圧受電設備の場合、建築物から3メートル以上の距離を保たないといけません。

ただしこの規程には例外があり、不燃材料で造られていたり、覆われた外壁で開口部のないものに面している場合はこの限りではないとされます。

金属箱の周囲の保有距離については、1メートルに加え保安上有効な距離をとることになります。

こちらも例外があり、隣接している建築物の部分が不燃材で造られていて、さらに開口部に防火戸などの防火設備が設置されている場合は、屋内に設置する場合の保有距離に準じることとなっています。

高圧受電設備を高所の開放された場所、たとえば屋上などのようなところに設置する場合は、周囲の保有距離が3メートルを超える場合を除き、高さが1.1メートル以上ある柵を儲けるなど、堕落防止措置を施さないといけません。

このように高圧受電設備を設置し運用するには、規程が重要になります。

特に保有距離に関しては屋内か屋外かなど、細かく内容が定められていて、十分な距離をとることが必須です。

高圧受電設備を設置する場合は事前に保有距離を把握しておき、設置後に保有距離が足りなかったということがないようにしましょう。

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