自動車エンジンの仕組み

ディーゼル噴射装置

 

まずはディーゼルエンジンについて確認。

上のリンク先を見てわかるように、ディーゼルエンジンでは圧縮した空気に直接燃料を噴射して自己着火させて燃焼させます。今回の自動車用語は、燃料を噴射するための装置です。

燃料噴射装置では、どうやってうまく空気と燃料を混ぜるかがポイントです。
空気に燃料を噴射したときに、その混ざり方が均質でないとまずいです。

どんな風にまずいかというと、

燃料が空気に対して多い部分では、すすが出てしまいます。
すすは古いトラックの後ろからもくもくでる黒い煙のことです。

一方、空気が燃料に対して多い部分では、窒素酸化物が出てしまいます。
窒素酸化物は、NOxとも呼ばれ光化学スモッグの原因となる物質です。

このことからわかるように排気ガスをきれいにするには、空気と燃料を均質に混ぜることがポイントになります。

どうやって均質に混ぜるか?

その主な方法として、高い圧力で燃料を噴射することが挙げられます。
高圧で燃料を噴射して燃料を小さな霧状にし、空気と混ぜます。

では次に、燃料噴射装置の種類を簡単に紹介します。
高圧噴射をキーワードにして違いを端的に挙げますね。

1.列型ポンプ・分配型ポンプ

燃料を噴射する時に合わせて、燃料を圧縮するシステム。
最大の噴射圧力がエンジンの回転数や出力に応じて変わってしまう。

2.コモンレール

レールと呼ばれる、圧縮して高圧になった燃料をためる容器を持つシステム。
高圧の燃料がいつでもあるので、エンジンの回転数や負荷に関係なく噴射圧力を調整して噴射できる。

内容から推測できると思いますが、1が古い装置で2が新しい装置です。

最新技術であるコモンレールシステムは、上で挙げた特徴によりディーゼルエンジンの性能を飛躍的に向上させました。

この技術はヨーロッパでのディーゼルエンジンブームのきっかけの1つとなっています。

ちなみに、コモンレールシステムを世界で始めて量産したのは日本の部品メーカーのデンソーです。

関連する自動車用語

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