自動車エンジンの仕組み
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可変バルブタイミング

バルブタイミング」の続きです。

「バルブタイミング」では、

・低回転用のバルブタイミングでは、高回転が苦手
・高回転用のバルブタイミングでは、低回転が苦手

ということでスポーツ性と街乗りでの扱いやすさが両立しにくいということと
このジレンマを解決したのがホンダの「VTEC」である、というところまで書
きました。
VTECは「Variable Valve Timing & Lift Electronic Control System」の略
です。日本語では可変バルブタイミング・リフト機構。

うーん。何か難しそうです。。。
VTECがどんなものかを書く前にその準備として、まずはどのように吸排気
バルブが動いているのかについて説明します。

吸排気バルブ動く仕組みがわかれば、VTECの概要はわかると思います。

ということで、さっそく。

吸排気バルブはカムによって上下に駆動させられています。

吸気バルブが下がると空気の入り口が開きバルブが上がると閉じます。
一方で排気バルブが下がると排気ガスの出口が開きバルブ上がると閉じます。
カムはおにぎりのような形をしていて、カムシャフトと一体になっています。
イメージとしてはおにぎりが棒で串刺しになっている様な感じです。その棒
をくるくる回すとおにぎりも一緒に回転する、といったところです。
このカムシャフトはエンジンの吸気・圧縮・燃焼・排気の4行程で1回転しま
す。なので、カムもエンジンの4行程で1回転します。
吸排気バルブはこのカムの外周に接しています。カムが回転して山の部分
(おにぎりの三角形の頂点部分)とバルブが接したときにバルブが押されて、
空気の入り口または排気ガスの出口が開きます。
ですのでカムの形状がエンジンの4行程内で、いつバルブを開いて・いつ閉
じるのかというタイミングとバルブの開く量を決めています。

ここで前回説明した、
・低回転用のバルブタイミングでは、高回転が苦手
・高回転用のバルブタイミングでは、低回転が苦手

ということからわかるように、エンジンの高回転時に最適なカムの形状と低回
転時に最適なカムの形状は異なっています。1つのカムで実現できません。

そのためカムの形状は両方の間を取るわけです

しかし、ここで

「低回転用のカムと高回転用のカムの2つを使えばいいんじゃない?」

と、考えたのがVTECです。
VTECは
低回転用のカムと高回転用のカムの両方を備え、エンジンの回転に応じて
使用するカムを油圧で切り換えます。

これにより、スポーツ性と日常の扱いやすさを両立しています。
VTECはカムを2種類持っているというのがポイントだと思います。