自動車エンジンの仕組み

ガソリン噴射装置

ガソリンエンジンの燃料噴射装置が、今まで書いてきたディーゼルエンジンのそれと違うところは吸気管内に燃料を噴射するということです。

もちろん、三菱自動車のGDIやトヨタのD4など直噴と言ってガソリンエンジンでもシリンダ内に直接燃料を噴射するシステムもあります。でも基本的にはガソリンエンジンは吸気管内に燃料を噴射すると考えて問題ないです。

ガソリンエンジンの燃料噴射装置はシングルポイント式とマルチポイント式があります。これらは燃料を噴射するインジェクタの位置が違います。

シングルポイント式燃料噴射

スロットルバルブ上流側にインジェクタをひとつ配置したもの。4気筒エンジンであれば、ひとつのインジェクタで4気筒分の混合気をつくる。

マルチポイント式燃料噴射

スロットルバルブの下流側にシリンダ毎にインジェクタを配置し、吸気バルブの手前に燃料を噴射する。4気筒エンジンであれば、4つインジェクタがついておりシリンダ毎に混合気をつくる。

性能でいうと、
シングルポイント式噴射 < マルチポイント式噴射
です。

これらの噴射装置は、機械式か電子制御式で動いています。
近年は、厳しくなる排気ガス規制への対応やエンジンの高性能化により電子制御式が多く使われています。

電子制御式では、エンジンが吸う空気量を測定するエアフローセンサやエンジン回転数、スロットルバルブの開き具合などの信号を用いECUが最適な噴射開始時期と噴射量を瞬時に計算します。

ECUとは燃料噴射を制御するコンピュータのようなものです。

エアフローセンサとスロットルバルブについてはこちらです。

・エアフローセンサ
・スロットルバルブ
ちょっとした豆知識ですが、
電子制御式の燃料噴射装置を始めて世に出したのは世界的な部品メーカーであるドイツのボッシュ社だそうです。

ちなみに以前、ディーゼルエンジンの噴射装置であるコモンレールシステムの噴射圧力は最大で約1800気圧と書きました。

一方、ガソリンエンジンの燃料噴射装置の噴射圧力は数気圧です。

その差、100倍以上。

それぞれの燃料噴射装置に求められる性能にはこんなに差があるとは。
驚きですね。燃料をシリンダ内で燃やさずに排気管へ送るなんて、びっくりですよね!

関連する自動車用語

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